2006年5月23日(火)
参議院法務委員会
○松岡徹君 民主党の松岡徹でございます。
午前中の同僚議員であります前川議員に引き続きまして御質問をさせていただきたいと思いますが、その前に、今回の法案につきまして、その提案趣旨の中にもありましたように、明治四十一年に制定された監獄法を言うならば百年ぶりぐらいに改正しようというような法案であります。そういう意味では、今日の質問に立つまでにそれぞれ私もいろいろと検討させていただきましたが、しっかりとこの法案については議論をする必要があるし、様々検討について加えなくてはならないというところがたくさんあると思います。できる限り、この法案の内容につきましてたっぷりとした時間を取っていただくように心からお願いを申し上げたいというふうに思っております。
それでは、今回の法案の中で特に代用監獄制度について、今回の改正理由の中には、この制度を維持しつつ改正しようという内容になっています。午前中の質疑にもありましたが、この代用監獄制度が世界的にも様々な視点で批判もされておりますし、さきの本会議で我が同僚の千葉景子議員の方からも代表質問でありましたように、世界にとって日本のこの制度は「DAIYO KANGOKU」というふうに正にそのままの呼び名で指摘をされているところであります。その指摘の内容は、今回の改正提案理由の中にありますように、被収容者の権利義務の関係とか、そういったものが法文上明確にされていない、すなわちこの制度によって未決拘禁者の処遇が非常に狭められて抑圧的に扱われている、そしてこの制度によって自白強要や冤罪が起きる温床になっているというような指摘がございます。これは、ずっと古くて新しい課題であります。
今回、そういう指摘があるにもかかわらず、この制度を維持しつつ改正するというふうな提案になっています。私は、それぞれ議論はありますが、この代用監獄制度について、基本は、本来、未決拘禁者というのは拘置所での留置というのが原則だというふうに考えておりますが、改めて法務大臣にその基本的なところをお聞かせいただきたいというふうに思います。
○国務大臣(杉浦正健君) 法案の第十五条第一項の規定は、被疑者等を刑事施設に勾留することに代えて、留置施設にも勾留することができるとするものでございます。これは、監獄法第一条第三項に基づく代用刑事施設制度を存置するものでございます。
現行法上、勾留場所につきましては、留置施設とする場合を限定するような特別の要件は何ら規定されていないことなどから、拘置所とするのが原則であるとは解されておりません。これは通説的理解であり、実務上も勾留場所は裁判官が具体的事件ごとに諸般の事情を総合的に考慮して、裁判官の裁量によって決定しているところでございます。
今回の決定はこうした解釈を前提とするものでございますけれども、我が国の現在の刑事司法制度を前提とする以上、迅速、効率的な取調べを含む捜査を遂げる必要性などから勾留場所の決定は裁判官の健全な裁量にゆだねられるべきであって、拘置所への勾留を原則とすることは現実的ではないし、適当ではないと考えております。
○松岡徹君 ちょっと解釈の立ち入り過ぎじゃないかと思うんですが、拘置所での刑事施設への拘置というのがこれは原則論として確立されているのかどうかということよりも、そういうふうにこれまでの監獄法を始め読めるんではないかというふうに思うんですよ。刑事施設そのものだけではなくて、警察の留置施設をも代用として利用することができると、そのいずれにするかということについては、裁判所の専権事項として、その事件の、事案の特徴でありますとか様々なことを勘案をして裁判所が決めると、こういうふうに解するのが本来だと思うんですが、改めて、大臣、どうですか。
○国務大臣(杉浦正健君) 先ほどお答えしたとおりでございます。明治四十一年ですか、監獄法が制定された当時、警察署は全国的にあったと思うんですけれども、拘置所はほとんどなかった状態から出発しておるわけでして、監獄法の規定では代用してとなっておりますが、実態は、そもそもの明治時代は警察から出発したんだというふうに思われます。
もちろん、国としても拘置所は整備してまいりましたし、現在も整備を行っております。法務省としては、例えば昭和五十五年以降を取ってみても、約二千人分の未決の被収容者の収容能力の拡大を図ってきたところであります。現在、名古屋拘置所を始めとする六施設で増改築工事をいたしておりまして、これらが完成すれば更に約九百人分の定員増を加えることになります。トータルいたしますと、未決被収容者の収容定員は一万八千人を超えることとなります。
施設整備を進めておりますけれども、実態としては、現在の司法制度の状況全体を見ますと、なお留置施設を存置した上で未決勾留者の処遇を図っていくというのが現実的であるというふうに私は思っております。
○松岡徹君 ちょっと、大臣、全然話がちょっと違うんですけれども、私は、どういうふうに解釈するかというよりも、どういうふうに理解をしたらいいのかということなんですが、大臣がおっしゃるように警察の留置所も拘置場所として基本的に存在しているんだということになれば、これ議論の立て方がまた違うんですね。刑事訴訟法のありようからこれ議論していかなくてはならないんです。
あくまでも代用という言葉を用いているというのは、基本はといいますか、未決者の拘置については刑事施設で留置するというのが本旨であって、しかし現状としてはなかなかそういう場所がないというのと、取調べのあるいは事案の内容によって裁判所が総合的に判断をして代用をすることができるということになっていると思うんですね。そのこと、代用してきたこの事実を私は違法だとは言いません、正に法律に代用することもきちっと明記されているわけですから。だからこそ、私は、代用なんですよ。すなわち、本来あるべき姿に代わって用いる、すなわち代用なんですよ。
ところが、大臣の今の答弁でいったら、代用がなくなって、それも拘置場所なんだと、本来の場所なんだということになれば、今回の改正理由は、この制度を維持しつつということはどういうことなのか、提案趣旨からもう変わってくるんですよ。私、そこを、そこの最初の基本のところを大臣に聞いているんです。そういう位置付けで今回、大臣が今おっしゃったように、今やられている代用監獄の警察留置場所も代用ではなくて本来の拘置場所なんだという認識で提案されているんですか。改めて答えてください、そこを。
○国務大臣(杉浦正健君) いわゆる代用刑事施設制度は、我が国の刑事司法制度の下で、誤解を与えるかもしれませんが、明治以来と申しますか、重要な役割を果たしてまいりましたし、現に重要な役割を果たし、大半の被勾留者は代用刑事施設に留置されているのが実情でございます。
今回の法案はこうした刑事司法の運用の実情を踏まえまして、また、最近の未決拘禁者をめぐる厳しい収容状況や現下の財政状況等にかんがみますと、現時点において代用刑事制度を廃止したり、あるいは漸減させることは現実的ではないことをも考慮しまして、代用刑事施設制度の存続を前提として、これに制度的改善を加え、代用刑事施設の被収容者の適正な処遇を図ろうとするものでございます。
もとより、代替収容制度は、これは所与の制度と考えているわけではございません。刑事訴訟の迅速化、裁判員制度、公的被疑者弁護制度の導入などによりまして刑事司法制度全体が大きな変革の時代を迎えていることなどを考えますと、今後、刑事司法の在り方を検討する際には、取調べを含む捜査の在り方に加えまして、代替収容制度の在り方についても、刑事手続全体との関連の中で検討を怠ってはならないものと考えております。
○松岡徹君 私、そんなところまで聞いてないんですが。
一番冒頭の答弁よりも、今の答弁はまた最初のところ違うんですけれども、要するに、代用刑事施設としてその制度が明治の時代からあるということは事実です。法務大臣、私も、今まではなくって違法なことをしてきたと言っているんではないんですよ。そんなことは言ってないんです、あったことは事実ですから。しかし、その基本のスタートは、本来やっぱり刑事施設に留置するというのが基本でありますから、そういうふうに解して、現状や、あるいは捜査のためとか様々な条件があって、そしてこの代用刑事施設としての制度があったということも私は否めない事実だと思っています。しかし、その基本を変えるのか変えないのかというのは非常に大事なこれは分かれ目なんですよ。一番冒頭の大臣の答えは、その分かれ目どころか、いや、元々一本ですというような言い方ですから、それはちょっと違うでしょうと。
私たちは、そういう意味では、これからの、先ほど言いました捜査の迅速化とか、これから裁判員制度も始まっていきますから、様々な状況に対応するような今後の在り方というものは検討していかなあかんことは事実です。その検討していく課題の中に、未決拘禁者の処遇の問題であったりとか人権という問題もだんだん議論されてくるんです。ですから、それは後の問題なんですよ。議論していきましょう。しかし、基本としては、これはあくまで代用、代用の刑事施設を留置場として認める、留置場をそういうふうに認めるということができるということでしょう。
そこだけもう一度大臣に、その部分だけでいいですから確認をしたいと思います。
○国務大臣(杉浦正健君) 繰り返しの答弁になりますけれども、今回の法案は、刑事司法の運用の実情を踏まえまして、また最近の未決拘禁者をめぐる厳しい収容状況、現下の財政状況等にかんがみますと、現時点において代用刑事施設を廃止するとかあるいは漸減させることは現実的ではないことも考慮いたしまして、代用刑事施設制度の存続を前提として、これに制度的改善を加え、代用刑事施設の被収容者の適正な処遇を図ろうとするものでございます。
○松岡徹君 大臣、ちょっと質問に答えてほしいんですが、私は、この制度をなくせという議論を私は今言っているんじゃないんですよ。漸減していけとか、そういうことは適切なのかどうかという議論はまだ、そんなところをやっているんじゃないんです。この制度そのものはあくまでも代用でしょうと、代用制度でしょうと。この代用制度が今までなかったんだと言っているんじゃない、明治以降も厳然としてあったんですから、今もあるんですから。これからも必要なのかどうかというのは後の議論ですよ。そんなことを言っているんじゃない。あくまでもこれは代用でしょうと言っているんです、代用の制度でしょうと。それを聞いているんですよ、大臣。
○国務大臣(杉浦正健君) 先生のおっしゃるとおり、代用刑事施設制度でございます。
○松岡徹君 この議論で十五分も時間掛かったんですけれども。
要するに、あくまで私は、その次の議論なんです。先ほど大臣が答えていただいた、これからも必要な制度なのかどうかというのをしっかりと議論していこうという、この次なんです。
さきの衆議院の法務委員会等々でも様々議論がありますが、そういう意味では、法務委員会の附帯決議にも、拘置所の増強計画とかですかね、そういったことに努力をしていくということが附帯決議の中にありました。そうすると、一方で、また今度も、あさってですか、現地視察へ行く予定にもなっていますが、大規模独立留置所がどんどん各地に建設されていっています。それとも相まって、その基本からいきますと、この附帯決議にあります拘置所の増強計画というのを今お持ちなんでしょうか。それ、ちょっとお聞かせを願いたい。
○国務大臣(杉浦正健君) 先ほどちょっとお触れいたしましたが、昭和五十五年以降、約二千人分の未決被収容者の収容能力の拡大を図ってまいっているところであります。現在、名古屋拘置所を始めとする六つの施設で増改築工事をしておりまして、これらが完成いたしますと更に約九百人分の定員増を加えることになり、未決被収容者の収容定員は一万八千人を超えることとなります。
○松岡徹君 そのことについては今後またしっかり議論したいと思うんですが、私は、この代用監獄、今回の法改正のところで存続させる必要はあるのかどうか、それをちょっと端的に例を出していただきたいというふうに思います。
○国務大臣(杉浦正健君) この点は、先ほど御答弁申し上げたとおり、いわゆる代用刑事施設制度は我が国の刑事司法制度の下で、過去も重要な役割を果たしてまいりましたし、現に重要な役割を果たしております。大半の被勾留者は代用刑事施設に留置されているという実情であります。
今回の法案は、こうした刑事司法の運用の実情を踏まえまして、また最近の未決拘禁者をめぐる厳しい収容状況や現下の厳しい財政状況等にかんがみますと、現時点において代用刑事施設を廃止し又は漸減させることは現実的ではないことも考慮いたしまして、代用刑事施設制度の存続を前提として、これに制度的改善を加えて、代用刑事施設の被収容者の適正な処遇を図ろうとするものでございます。
もとより、先ほど申しましたように、代用収容制度は、これを所与の制度と考えておるわけではございませんで、先ほど申しましたように、刑事訴訟の迅速化、裁判員制度、公的被疑者弁護制度の導入などによりまして刑事司法制度全体が大きな変革の時代を迎えていることなどを考えますと、今後、刑事司法の在り方を検討する際には、取調べを含む捜査の在り方に加えまして、代替収容制度の在り方についても、刑事手続全体との関連の中で検討を怠ってはならないものと考えております。
○松岡徹君 今回も、この代用監獄制度というものを存続させて改正を言っています。存続させる理由は何なのかということをやっぱりもっとはっきりしなくてはならないと思うんです。今大臣おっしゃったように、今、日本の未決拘禁者のほとんどが警察留置所で拘置されている。そして、財政上の問題があると。捜査の迅速化等々言っておられますけども、私はそのこと自身がこの制度のこれからもずっと残していくべき制度であるという理由にはならないというふうに思うんです。
そういう意味では、一方で拘置所の、先ほど言いましたように、法務省として拘置所の整備をきちっとしていくという努力がしっかりなかったら、それこそこの制度を未来永劫これからずっと続けていくのかという議論になっていくわけでありますから、そういう意味ではその理由をはっきりさしていただきたいと思うんですが、私は、具体的に申し上げますけれども、この制度そのもの、冒頭申し上げたように、様々な批判があります。国際的な批判や、国内でも、冤罪を生み出す温床になっているんではないか、それは捜査の自白偏重ということが強過ぎて、それを強要していくような場所になっていっているのではないかというようなことも様々指摘をされてきたところであります。そういった意味では、そういったものをどうなくすのかということも非常に大事になってきます。
一方で、私は気になるのがありまして、これは事前に通告もしていませんが、例えば、アメリカ軍の基地が日本に、沖縄や様々なところであります。そして、そのアメリカ軍の兵士が様々な事件を起こしています。女性に対する暴行事件やあるいは殺害事件など、凶悪な事件も起きています。その中で、その米兵が起こす犯罪について、それを日本が身柄を拘束して取り調べるということがすべてできているのかどうかといえば、なかなかそういうわけにいかないというような状況も聞いております。
毎年の米軍構成員の検挙人数を見ていきますと、平成十六年だけでも、米軍の構成員が起こす犯罪といいますか、まあこれは全部ですから、七十二人がこういったこと、起きています。昭和四十七年からずっとトータルしますと五千二百四十五人ですね、米軍基地といいますか、米軍構成員が犯す犯罪であります。
この中で、一体どれだけの人たちが日本の警察や取調べに応じて、あるいはそこでやられたのか。聞くところによりますと、やっぱりアメリカ軍が自分のところの米兵が犯した罪を調べるのに日本の警察にゆだねないのは、実は代用監獄制度とかあるいは取調べのありようが、すなわち未決拘禁者の処遇が極めて不透明だというような声があるというふうに聞いているわけですね。実際のところ、それが理由に日本で裁判を、あるいは取調べができないというような状況が生まれてきたということも過去にあったかと思っております。
そういう意味では、そういったことも勘案しますと、しっかりとこの代用監獄制度の、今回も継続する、維持するということについてしっかりとした理由を言わなくてはならないというように思いますし、同時に、併せて、先ほど冒頭確認しました、基本としては刑事施設への拘置というのが基本でありますが、現状としては代用施設として留置場もその施設として代用することができるということになっています。一方で、基本となるべき刑事施設を整備していくというのは、これは当たり前のことでありますから、当然のように先ほど私は増強計画はあるのかということを聞かしていただきました。
そこで、大体各地で大規模な独立留置場というものが整備されていっています。例えばこれを地方のところから法務省に切り替えたらどうか、留置所からそれを拘置所に切り替えてはどうかというふうに提案したいと思うんですが、これについてはどうですか。
○国務大臣(杉浦正健君) 留置施設は、都道府県が地方の治安責任を全うする必要性から、独自の財源を充てて、厳しい財政運営の中から設置しているものでございます。これを国の所管に移すということは、治安に関する地方公共団体と国の役割分担や責任の所在にかかわる重大な問題でございます。
また、留置施設は、逮捕後の留置とこれに引き続く勾留を通じて用いられているところであります。したがって、要員の点でも、逮捕から勾留まで一貫して地方公務員である施設の看守勤務員が対応しております。したがって、仮に留置施設を国の所管に移すとしても、逮捕後の留置を行う施設としての留置施設は存続する必要があり、留置施設の機能を分割して被勾留者の収容に関する部分のみを国の所管とすることとなりますが、その場合、国の業務を行う区画を別に設け、共通した業務に従事する職員を国と地方ごとに配置せざるを得なくなるわけでございます。
こうした点などにおきまして、留置施設の所管を法務省に移すことは現実的ではないと考えております。
○松岡徹君 すぐに拘置所整備増強するというのはなかなか難しいと思いますが、地方でこういうふうな大規模な独立した留置場を建設をしていっているということからすれば、一方で、法務省からすれば拘置所の整備増強という計画があります。やっぱり施策の切替えでありまして、それを法務省の拘置所としての位置付けに切り替えればこれは済む話なんですよ。それが地方の治安自治、治安責任を越権するとかいう問題ではないと思うんですね。
それで、なぜそれができないのかと。それは財政上の問題なんですか。財政上の問題でできないのか、いや、それともそれ以外の問題があるのか、改めて大臣、お答えください。
○国務大臣(杉浦正健君) 一つは財政上の問題があると思います、人の確保も含めまして。衆議院の予算委員会で矯正局長が答弁しておりましたが、留置場というのは津々浦々にあるわけです、警察署と併設されて。それに見合うだけの拘置所を全国に建設するとした場合、ちょっと金額忘れましたが、兆単位のお金が掛かると、それに加えて人員を増強しなきゃならないという実情もあるというような答弁をいたしておりました。
現在、法務省の施設関係の予算は、平年分が約二百億円、今は補正予算で刑務所等の大増設、大体、年によって違いますが、三百億円から五百億円手当てしていただいております。それで現在の計画賄っておるわけでございまして、現在の代替勾留施設の機能を全部引き取れるような大計画を仮に作ったとした場合、相当息の長い時間が必要になるんじゃないかというふうに思います。(発言する者あり)御質問があったからお答えしております、財政上の問題と。
○松岡徹君 私、全部をせいと言っているんじゃないですよ。そんなのもう無理ですからね。物理的にそれは私も無理だと思います。
財政上の問題があるならば、例えば、一方で法務省は拘置所整備増強していかなくてはならないという責務を負っていますから、そして一方で地方が独立した留置場をどんどん建設しようとしていると。なぜそこにちょっと相入れるような方法はないのかということなんですよ。それは決して無駄なことではないと思いますし、財政上も、極端な、全部をということを言っているんではないんですね。現実的な対応はできないのかということなんですよ。
一方で、法務省は拘置所の増強計画、増強していかなくてはならないという責務を負っているわけですから、ですから、先ほど、財政上の問題でいうたら、午前中のうちの前川委員が財務省に特段の財政的な配慮をお願いをしたいと言っていますから、あとはもう法務省の腹一つなんですよ。そういうふうに変えていこうと、現実的なところで変えていこうというような対応ができないのかどうかなんです。どうです、大臣、ゼロか一〇〇かではなくて、現実的に。
○国務大臣(杉浦正健君) 与えられた条件の中で最大の努力はしていると私は見ております。
例えば、拘置所の増改築にいたしましても、今度やる大阪にしても名古屋拘置所にしても、もう昭和四十年代ぐらいですから非常に古いんですね。ですから、その設備を新しくするという意味も込めて増改築をやるわけでございまして、多大の経費といいますか予算を必要といたしております。事務方に、指定されておりませんので、どうなっているのか、詳細、必要があれば事務方から答弁させますけれども、できる限りの努力はいたしておるというふうに私は承知しております。
○松岡徹君 別に事務方の方が答えぬでも結構ですが。私は法務省の姿勢の問題を言っているんで。
現実的にそういうのができているんですから、正にそれが代用施設として認定されていくわけですから、逆に言えば、それを代用施設として認定する前に法務省がそれを拘置所とすればそれで済む話なんですね。ですから、予算は一緒、国民の税金を使って造るわけですから、しかもその目的が治安責任をそれぞれ果たしていこうという立場も踏襲しているんですから、是非ともその辺は前向きに検討いただきたいと。
これでまた次行かれなくなると困りますので次に行きたいと思いますが、未決拘禁者の処遇について二、三聞きたいと思います。
一つは、その三十一条のところで、未決者としての地位を考慮しというふうにございます。その未決者としての地位とは何なのかということを簡単にお聞かせ願いたいと思います。
○副大臣(河野太郎君) 法案第三十一条が「未決の者としての地位を考慮し、」と規定しているのは、未決拘禁者が捜査の対象又は裁判の当事者としての地位を有する者であり、いまだ有罪の裁判が確定した者ではないことを考慮しなければならないという意味でございます。
○松岡徹君 そうですね。まだ決まってないわけですから、だから無罪も有罪も決まってないということで、そういう立場をしっかりと考慮するということが原則だと思います。
そのときに未決拘禁者が勾留される場合、どこに勾留されるのか。拘置所なのか代用施設なのかということについては裁判所が専権事項として判断をすると思いますが、改めて確認しますが、その際、代用監獄の留置決定をするときに、裁判所に対して警察とか検察の方から書面あるいは口頭で留置場留置といいますか留置場での拘置を求めるということはあるわけですか、お聞かせ願いたいと思います。
○副大臣(河野太郎君) 検察官は、勾留請求に当たり、希望する勾留場所を選定して勾留請求書に記載しているものと承知しております。
○松岡徹君 いろんな事案で弁護人が刑事施設への拘置を要望したときに、その裁判官の決定に対して準抗告をして、また留置場施設に収容するというようなことがあります。それを申し上げませんが、こういったことが本当にいいのかどうかということも含めて、私は疑問に感じています。
その際に、逃走及び罪証の隠滅の防止に留意ということがあります。逃走のおそれと罪証隠滅のおそれというのがありますが、これの違いは何なのか、聞かしてください。
○副大臣(河野太郎君) 裁判官が刑事訴訟法第六十条第一項に規定する理由があると判断した場合に勾留されるわけでございますが、逃亡のおそれ又は罪証隠滅のおそれ、これのいずれかの理由だけで勾留することがあるわけでございます。
しかしながら、刑事司法の適正な実現のためには逃亡及び罪証隠滅の防止が万全に図られることが前提であり、その意味で、未決拘禁の目的は逃走及び罪証隠滅の防止にあることから、逃亡のおそれ又は罪証隠滅の防止のいずれか一つが勾留の理由とされている場合であっても、他方について留意しなくてもよいということにはならないわけでございます。
○松岡徹君 先ほどの、午前中の質問にもありましたけれども、罪証隠滅のおそれがあるということで書かれていくと接見禁止とか様々な条件がありますが、例えば、処遇のところで、未決拘禁者が処遇される場合、逃走のおそれと罪証隠滅というふうにありますね。それで処遇は違うわけですか。
例えば、未決拘禁者の場合、この人は罪証隠滅のおそれがあるということで、なれば、あるいはそういうおそれのないといいますか、そういうような理由が書かれていない人たちと処遇といいますか、いうものは違うわけですか。違ったりするんですか。
○副大臣(河野太郎君) 勾留理由の違いがある場合がございますが、勾留理由がいずれか一つであっても、もう片方を考慮しなくてもいいということにはなりません。
例えば、逃亡のおそれが理由として勾留されている場合に、一般の面会で証拠隠滅を依頼する会話がなされたような場合にはこれを停止するわけでございますので、理由の違いによって処遇の違いがあるわけではございません。
○松岡徹君 それから言うと、処遇規則といいますかね、処遇原則にわざわざこんなものを挙げる必要はないと思うんですね。拘置管理者といいますか、そういうふうに一つは思います。
それと、前にも、私は去年の刑事施設の処遇改善のところで、特に受刑者のところでも質問いたしましたけれども、未決拘禁者の中の特に今女性に対する処遇、これについては今までも、未決拘禁者だけではありませんが、受刑者に対してもそうですが、様々な不祥事がありました。受刑者に対して性的な行為を強要したりとか、あるいはそれによって子供ができたりという名古屋の豊橋支所のこともありました。そういったことが特にあります。
そのときに言うときには、必ず女性の、特に未決拘禁者にかかわる場合、女性の拘置管理者、業務者が対応すべきだというようなことは言っていますけれども、今回の場合もそういった配慮はされているんですか。
○副大臣(河野太郎君) 御指摘の趣旨は正にそのとおりでございます。しかしながら、女子の被収容者の処遇すべてに女性の職員を充てることは極めて非現実的なのが現状でございます。
例えば、拘置所のようなところに一人女性の被収容者がおりますと、二十四時間女性の職員がそこにいるためには四・二人の女性職員が必要になります。拘置所には非常に限られた職員の配置しかしていないものでございますので、そういうところすべてに女性の配置をするというのは現実的にはできません。
しかしながら、またしかしながらでございますが、可能な限り配置の拡大をしなければならないわけでございまして、そのほかにも、例えば女性の被収容者の居室のドアを開け閉めするのは原則として女子職員が行うとか、身体検査の場合に女子の事務官がやるというようなこともしながら、男子職員のみが何か対応しなければならない場合には必ず複数の職員を配置する、あるいは女性区画の廊下に監視カメラを設置をしてしっかり監視体制を、その職員が不当なことをしないような監視体制をする、あるいは幹部職員が頻繁に巡回を強化する、そういうようなことをやりながら女性職員の足らざるところは何とか問題ないようにしっかり努めてまいりたいと思っております。
○松岡徹君 こういったたぐいの不祥事というのは後を絶たないんですね。
例えば、二〇〇〇年の十二月に、名古屋の拘置所一宮拘置支所の三十四歳の男性刑務官が勾留中の女性被告と親密になって、釈放後性的な関係を持って、この職員は停職一か月の懲戒処分を受けたとか、あるいは二〇〇六年、先ほど言いました名古屋の豊橋刑務所の四十六歳の男性看守部長がこの豊橋支所に勾留されていた二十歳代の女性と性的関係を持ったと。この女性は妊娠をしてしまったんですね。やはり女性の棟は違うんですが、本来中でそういうのは分けているはずなんです。今副大臣おっしゃったように分けているはずなんです。にもかかわらず、できる限りというのは、確かに全部が全部今すぐに女性の刑務官なりは整うかどうかという問題はありますが、やっぱりしっかりそういった原則を明記していくということが大事なんですね。それを是非とも明記するようにやっぱり心掛けてほしいし、しなければならないというふうに思っています。それは是非とも、強く要望だけをいたしておきたいというように思っております。
それから、特に留置業務と犯罪捜査の分離の問題でありますが、第百八十四条の規定によりますと、留置業務管理者は食事とか就寝その他の起居動作をすべき時間帯を定め、これを被勾留者に告知するものとすると書いてあるんですね。これからすると、これをちゃんと法文に義務付けるということを明記すべきではないかというふうに思うんですが、いかがですか。
○副大臣(河野太郎君) 未決拘禁者の起居動作の時間帯をしっかり守るということは、健康の保持の観点からも大変重要でございます。処遇は原則として起居動作の時間帯に従って行われることとなります。一方で、未決拘禁者は刑事手続の対象として身柄を拘束されておりますので、取調べ、公判出廷、弁護人との面会等を実施する公益上の必要性も当然にあるわけでございます。その場合に、取調べを行う検察官等におきまして起居動作の時間帯に配慮をするというのはこれは当然のことでございますが、場合によってはすべてこの時間帯を守ることが不可能となる場合もございます。そういうこともありますので、その時間帯を未決拘禁者が守れるようにすることを刑事施設の長の責務として法律に規定することは、これはなかなか適当でないというふうに思っております。
しかし、起居動作の時間帯を守ることができなかったがゆえに未決拘禁者の心身の健康が害されてはいけないわけでございますので、可能な限りしっかりとこうしたことを守らせる、そういう運用をするように努めてまいりたいと思っております。
○松岡徹君 これは非常に大事なところでありまして、要するに自白が強要されたり、あるいは自白調書の信憑性が疑われたり、あるいは過度な取調べが行われていく、そこに冤罪が発生するということがよく言われて、指摘されておりますね。だから、その被勾留者に対してしっかりとその辺のことを伝えなくちゃならない。ところが、被勾留者は朝取調室に連れていかれたときに、朝何時なのか、終わるころが今何時なのかというのが分からないですね。時間の指定もだれが一体教えてくれるのか。私は、そういう意味では、この留置業務に携わる者がこういう義務規定というものでしっかりと教えていくということが大事だと思うんです。長期間にわたる取調べ等々がいろんなそういう疑惑を生み出してきたということは事実であります。
皆さん、鹿児島の志布志の事件というのは御存じだと思うんですが、二〇〇三年の前回の統一地方選挙のときに、鹿児島の県会議員選挙にかかわって買収等の容疑に掛けられて、十三人ほどが逮捕されて不当な取調べを受けたと、そして自白を強要されたということで、実は今月の十七日に五十回目の公判がございました。その自白調書を証拠として採用するかしないかということが、今度の七月の二十七日にそれが出てくるということであります。この事件そのものは大変なひどい、私も事実であれば事件だと聞いています。それぞれの、まあ時間の関係がありますから申し上げますが、二〇〇三年にこの事件が起きたわけであります。この事件は、二〇〇三年四月十四日に県警と志布志警察署は合同の公選法違反、買収、供応で事件が、捜査が始まっていくんです。この中で十三人ほどずっと取調べを受けている。その取調べが非常に自白を強要するものであって、その中に、取り調べられた人の中には自殺未遂まで起こした人たちがいる、病院へ入院した人たちもたくさんいる、そのことが今裁判で問われています。この自白調書の信憑性というのが問われています。私は、この未決拘禁者の処遇の問題と、そして留置の業務のかかわりでどうなっているのかということを私は指摘をせざるを得ないと思います。
そういったときに、皆さんももう既に御存じだと思いますが、実は四月の段階で、週刊朝日がありまして、四月の二十一日付けの週刊朝日です。実は警察情報がウィニーで流出したと、それを流出された警察情報が週刊朝日がすっぱ抜いている。取調べのところで、捜査の段階でココセコムというのがありまして、ココセコムというのはセコムのカーナビシステムのあれですね。その本人の了承なしに、その被疑者といいますか、この人と思ったところの車にこれを取り付けて、それをずうっとココセコムで追っていた。すなわち、その人のアリバイを確かめようとしたと。その後に、自供させるまで部屋から出るなという、要するに被疑者取調べ要領というのが流れました。これがその被疑者取調べ要領というものであります。
平成十三年十月四日、適性捜査専科生、被疑者取調べ要領というのがあります。これはどうも愛媛県警の文書でありまして、その中に、被疑者を取り調べるに当たって、事前の把握を徹底するとか、被疑者をよく知れとか、あるいは粘りと執念を持って絶対に落とすという気迫が必要だと書いてある。その四番目に、調べ室に入ったら自供させるまで出るな。これはもう、これはひどいのがありますよ。十二では、被疑者はできるだけ取調室に出せ、否認被疑者は朝から晩まで調べ室に出して調べよ、(被疑者を弱らせる意味もある)、そんなのまで書いてある、これね。これは、これだけではなくて、そのほかにもあるんですね。被疑者取調べ技術の向上方策、捜査第一課盗犯科、係ですか、そこにも同じことが書いてある。一度調べに入ったら自供させるまで出るな。同じことが書いてある。これ、こういうものが盗犯捜査専科というのもございまして、こういうのがウィニーで流出した資料なんです。これは御存じですか。
○国務大臣(沓掛哲男君) お答えいたします。
愛媛県警察において、今御指摘の、現在流出したと見られる資料等の詳細を今調査しているところでございますが、取調べに関する心構えを記載したような文章もその対象としているというふうに聞いております。この文章の性格、記載内容の趣旨等については現在調査中でございますが、その内容から見て公的なものではないとの報告を受けており、この警察官が自分の経験等から自分の思いを記載したものではないかというふうに聞いております。
実際、いろいろ警察庁あるいは全国警察においてもいろいろ各種の教養資料を用いて今のようなことについてもいろいろ指導、教養の徹底を図っておるものでございまして、決してこのような文章が公的に使用されたりなんたりしているというものではございません。
○松岡徹君 沓掛大臣はこの現物は見られました。
○国務大臣(沓掛哲男君) 詳細には読んでおりませんが、目次程度は見ております。
○松岡徹君 これ、幾つか種類あるんですよ。これ日付まで入っている。被疑者取調べ要領(適性捜査専科生)、それ以外に捜査技術専科教養用、盗犯捜査要領手法、あるいはこちらには捜査第一課盗犯係の文章で被疑者取調べ技術の向上方策、これは今、沓掛大臣がおっしゃったように、だれかが勝手に作ったものなんですかね、改めて。
○国務大臣(沓掛哲男君) この愛媛県のこの流出にかかわった警察官が自分で今までの体験などで自分の思いを一応記述したものだというふうに考えておりますし、公的なものではそれはありません。
公的なものについては、今申し上げましたように、ちゃんと警察庁あるいは全国警察においては各種の教養資料を用いて指導いたしておりますから、その教養資料が公的なものでございまして、決してこの一個人の警察官はそういう思いをここに記述して、もし記述したとすれば、記述していたものだというふうに思います。
もちろん、これ全体については現在愛媛県警において調査中でございますので、そのことについては私としてはこれ以上の情報も持っておりませんし、これ以上述べる立場にはございません。
○松岡徹君 今調べ中だということで、是非ともその真相を明らかにしてほしいというふうに思うんですよ。もしこれが組織的に、あるいは警察の中でこれが組織的な取組として手本として実践されていたとしたら、これは大きな問題ですよね。でしょう。
しかし、今おっしゃったように、そのうちのだれかがこれを自らの教本として作ったものではないかというふうに推察されるということでありますけれども、私は少なくとも、これ愛媛県警の文章なんです。少なくとも愛媛県警は平成十三年、日付入っていますから、平成十三年十月四日のこれ文章なんです。被疑者取調べ要領というのがある。これは少なくとも愛媛県警では実施されてきたというふうに推測されると思うんですが、いかがですか。
○国務大臣(沓掛哲男君) 今、この流出した件につきましては愛媛県警で調査中であり、速やかにその調査結果をまとめるよう指示いたしております。
○松岡徹君 もう結構前、一か月ぐらいたつんですが、まあそのことは聞きませんが、私が聞いているのは、これは少なくとも平成十三年の文書です、それだけでもこれぐらいあります。同じような内容が書かれています。それぞれが捜査第一課であったりとかいう名称が変わっています。是非とも徹底して調べていただきたいと思うんですが。
問題は、これ愛媛県警だけの文章だとすれば、少なくとも愛媛県警ではこういったマニュアルに沿って取調べがされてきたということを証明することではないですか。それを聞いているんです。
○国務大臣(沓掛哲男君) 今、先ほど来申し上げましたように、調査中でございまして、個々のことについては御回答することでは、いろいろなかかわりもございますのでお答えできませんが、全体としてどういうことであったかということは速やかに調査し、御報告できるようにするよう今努めておるところでございます。
○松岡徹君 調べることは私は決して否定しているわけではありません。是非とも全容を解明してほしい、その結果についてここで報告をしていただきたいというふうに思います。
是非ともまた委員長の方でお取り計らいをお願い申し上げたいと思います。
○委員長(弘友和夫君) ただいまの件につきましては、後刻理事会において協議いたします。
○松岡徹君 それとは別に、先ほど言ったように、この、これ愛媛県警の文章でありますから、個人名書いていません。愛媛県警の文章が、それが愛媛県警の文章としてウィニーを通じて流出したんです。個人用のパソコンを通じてね。
そういう意味では、私は、このこと、このマニュアルに沿って、少なくとも愛媛県警は平成十三年からこの五年間ほどはこのマニュアルに沿って取調べが行われてきたということを推測される、推察されるんではないですかということを聞いているんです。
○国務大臣(沓掛哲男君) 警察庁や全国的に見てそういうようなものは使っておりません。今、しかし、御指摘のようなことについては全体を含めて現在調査中でございますので、その調査を見ていきたいというふうに思っておりますが、余り個々の具体的な問題についてはいろいろ捜査上、また今後、関係する人のプライバシーその他にも関係いたしますので、御報告できない面も、個々の問題については全体としては御報告できない面もあるというふうに思いますが、包括的にはこれは御報告させていただきたいというふうに考えております。
○松岡徹君 否認被疑者は朝から晩まで調べ室に出して調べよ、被疑者を弱らせる意味もある、こんなことも書いてあるんですよ。私は、これで、これだけでもほんま徹底的に聞きたいと思うんです。少なくとも私たちは、このマニュアルが愛媛県警のマニュアルとしてウィニーを通じて流出したということであれば、全国でこのマニュアルでやっているとは言っていません。せめて愛媛県警だけではこういったことによって取調べが行われてきたということを推察することができるというように思います。
今回のこの刑法改正のときに大事なのは、正にこういった点がこの代用監獄制度、これがそういったところの温床になっているのではないのかということを言われてきたし、しかも、多くの冤罪がこういうことになっていると。
先ほど言った鹿児島の志布志事件も自白を強要された、あの中に、本人を弱るまで、被疑者を弱らせる意味もあるということが全く当てはまるんですよ。朝から晩まで十三人の取り調べられた鹿児島のこの人たちの中には自殺未遂まで行った人がいる。取調室で、自分の、ちゃんと今ここで自白せえへんかったら、おまえの親や子供どうなっても知らんぞと言うて、足の裏に自分の子供の名前や親の名前を書いて踏み付けろというようなことを強要されて、精神的にどんどんどんどん弱っていく、こういった取調べがされたということを彼らは証言しています。
私は、このマニュアルを見たら、あっ、やってるなと思いましたわ。それが正に、冤罪を生み出す、あるいは人権を考慮していないということになっていますから、今回の法改正のところでは正にその点が不明確であるというふうに思っています。
冒頭に大臣に対してただしました。代用監獄制度は本来あってはならないものであって、ちゃんとした被疑者の、未決拘禁者の権利を、あるいは人権を守る、配慮するということも含めて考えると、この代用監獄制度は一日も早くなくしていくべきだと思いますし、同時に、あわせて、こういった取調べの間で、今日はもう時間なくなりましたが、可視化の問題もただしたかったわけであります。
先般、裁判員制度が導入されるに当たって部分的な可視化を一遍やってみようというところに、発表がありました。私、それ自身は非常にすばらしいことだと思っています。取調べの可視化が十分にされていくということがそういう意味では決して捜査の邪魔をするわけでもないし、捜査を遅らせるということでもないというふうに思っています。
そういう意味で、これからも引き続きこの代用監獄の漸次廃止をするような努力を是非ともお願いを申し上げたいと思いますし、あわせて、こういったことが、愛媛県警のこのウィニーで流出した捜査取調べマニュアルにあるようなことが二度と起きないようにするためにも取調べを可視化していく、ビデオやあるいはテープでしっかりとその様子を記録をしていくということが大事だというように思っておりますが、最後に大臣の所見だけお聞かせいただいて、終わりたいと思います。
○国務大臣(杉浦正健君) 検察庁においては、裁判員制度の導入を視野に入れまして、取調べの録音、録画を試みることに相なっております。
裁判員裁判対象事件のうち、検察官が任意性の効果的、効率的な立証のため必要と認めるものにつきまして、検察官による被疑者の取調べのうち、立証の必要性を考え、取調べの機能を損なわない範囲内で相当と認められる部分を録音、録画することを試みるものであると承知しております。
試行期間は本年七月から一年半程度を当面の予定としておりまして、試行庁は東京地方検察庁とのことでございますが、他の地検でも最高検察庁が事件を選び個別に実施することもあり得ると聞いております。
試行後にどのような取扱いをするかにつきましては、試行の結果を検証した上で判断されることになると承知しております。
○松岡徹君 終わります。
参照:刑事施設・処遇法案についての質疑(二回目)(2006年5月30日 参議院法務委員会)
委員会全体の質疑録(参議院ホームページ)