10月12日、ハンセン病問題の解決に取り組む「ハンセン病対策議員懇談会」および「ハンセン病問題の最終解決を進める国会議員懇談会」と、「全国ハンセン病療養所入所者協議会」および「全国国立ハンセン病療養所施設長協議会」との懇談会が衆議院第二議員会館で開催され、私も参加しました。
「ハンセン病対策議員懇談会」の津島雄二会長(衆・自民)と「ハンセン病問題の最終解決を進める国会議員懇談会」の川内博史議員(衆・民主)の挨拶の後、全国ハンセン病療養所入所者協議会(全療協)会長の宮里光雄さんがお話しされ、療養所の入所者が減少していく中で、どのような療養所の将来像を確立していくのか、人生をかけて取り組んでいきたいという決意をのべられるとともに、来年度予算概算要求456億7, 000万円が全額認められるよう、働きかけを強く要請されました。
また、全国国立ハンセン病療養所施設長協議会会長の山内和雄さんからは、70歳以上の高齢入所者の増加に伴い、認知症ほかの疾病を患う入所者が増加する中、医療・看護体制が不十分で日常診療やリハビリ等に支障が出てきている現状があることと、それら体制の整備が訴えられました。
全療協事務局長の神(こう)美知宏さんは、「全国の療養所でこの10年間に2, 368人の入所者が減り、今年5月現在で2, 890人となっている。これから10年後には500人ぐらいになるかもしれない」と危機感を伝えるとともに、「平均年齢も79歳となり、入所者は自分の生きている間に療養所が廃止されるのではと不安を抱えている。医療の確保すら危ぶまれている療養所の将来展望をどう切り開くかは深刻な問題で、議員立法が必要と考えている。国民の意識の中にもハンセン病問題は終わったとの誤解があり、世論を喚起していくためにも、『ハンセン病問題基本法』(仮称)の制定や療養所の発展などを求める国会請願署名に取り組んでいる。ぜひ協力してもらいたい」と訴えられました。
同席した厚生労働省の担当者からも概算要求の説明があり、予算確保をめざして努力する意向がのべられました。
津島議員からは、神事務局長からの要請のあった議員立法について超党派で取り組んでいく意向がのべられ、懇談会を終えました。
私も微力ながらハンセン病問題の解決にむけて立法府の一員として責任を果たしていけるよう取り組んでいきたいと思います。
全療協の呼びかける国会請願署名は今年12月15日までに100万人を目標として取り組んでいます。多くの人々に是非、協力をお願いします。
*請願署名用紙は松岡徹事務所にもありますので、ご連絡ください。
*請願趣旨(署名用紙より)
戦前から戦後にかけて、ハンセン病を発症したというだけで、患者は社会で生活することを許されず、官民一体となってすすめられた「無らい県運動」等によって、町や村から徹底的に排除され、国立療養所に強制隔離されました。
戦後は特効薬プロミンにより、ハンセン病は治癒するようになりましたが、患者の強制隔離絶滅政策を基本とした「らい予防法」は、1996年まで存続したために、病は癒えても社会復帰は容易ではありませんでした。
2001年5月のハンセン病国賠訴訟の熊本判決は、国のこの政策を断罪し、その後の制度改革によりハンセン病政策は大きく前進しました。しかし、ハンセン病療養所では、長年の隔離によって高齢化が進み、社会の根強い差別感情もあって依然社会復帰は容易ではありません。「らい予防法」廃止時全国5千人と言われた入所者の数は現在3千人を切り、10年後には1千人以下になると予測されるようになりました。それにもかかわらず、国は、ハンセン病療養所の将来についての具体策を何ら示すことなく、ただ入所者は、この先、療養所でどういう暮らしができるのか、どういう医療体制が確保されるのか、将来像が見えないまま、不安な思いを募らせています。ある入所者は、「国は最後の一人まで面倒を見ると言うけれど、最後の一人にはなりたくない。その前に死にたい。」とその思いを語っています。
私たちは、長年強制隔離政策に苦しめられてきた入所者が、その晩年を、社会から切り離されることなく、たとえ「最後の一人」になるときが来るとしても、社会の中で生活するのと遜色のない生活及び医療が保障され、安心して暮らすことができることを願っています。
ハンセン病療養所の将来のあり方を問う問題は、ひとり入所者のみが取り組んで解決する問題ではありません。立法府、行政府はもとより、地方行政機関及び市民の皆様にも問われている重大な課題でもあります。
私たち、ハンセン病療養所入所者協議会(略称・全療協)は、ハンセン病問題の真の解決をはかるため、「ハンセン病問題基本法(要綱)」の法案成立に最大限ご尽力いただくとともに、「らい予防法」廃止時の国会決議に基づき、ハンセン病療養所の医療・福祉を拡充し、地域に開かれた施設として、ハンセン病療養所の真の社会化が実現するよう、下記の事項について請願します。
<請願事項>
1、ハンセン病問題の真の解決をはかるため、「ハンセン病問題基本法」(仮称)を制定すること。
2、療養所の将来のあり方については、入所者・職員・地域住民など関係者の意見を尊重し、地域・国民のための医療・介護施設等として広く開放・発展させること。
3、ハンセン病療養所の医療・看護・介護体制の強化を図ること。