12月4日、「刑事訴訟法の一部を改正する法律案」(いわゆる取調べの録画・録音による可視化法案)を筆頭発議者として参議院に提出しました。法案は、富山氷見事件や志布志事件などの冤罪事件の続発に鑑み、警察や検察による自白の強要等による冤罪を防止することを目的としています。また、自白の任意性や調書の信頼性が日本の刑事裁判で大きな争点になってきたことを踏まえた内容となっています。
私は、参議院選挙後の臨時国会がスタートした当初からこの法案の主担者として法案作成に精力的に取り組み、この日の法案提出となりました。
福山哲郎参議院政審会長(政調会長代理)をはじめ、法案発議者の法務委員会・千葉景子議員(筆頭理事)、松野信夫議員、前川清成議員とともに法案を提出し、提出後には細川律夫『次の内閣』ネクスト法務大臣も加わって記者会見を行いました。
会見で千葉議員は、これまで衆議院でも同様の法案を提出してきたが、与党が多数を占める衆議院では審議がされず、参議院における与野党逆転を経て法案を提出するに至ったことを報告。
あわせて、富山氷見事件や志布志事件などの冤罪事件が次々に明らかになっている現状を踏まえ、審議・成立させることが民主党の責任であるとの認識の下、法案を提出したことを表明しました。また、2009年の裁判員制度導入も間近に控え、裁判の迅速化を図るためにも、可視化制度の導入は急務と考えるとの認識を示しました。
私のほうから法案の内容について説明し、(1)ビデオ等の録画・録音による取調べの可視化、(2)録画等のない自白の証拠能力の否認、(3)検察官手持ち証拠リストの開示などを主な内容とし、段階的適用を定めていることを紹介しました。この後、法務省記者クラブにおいても記者会見を行いました。
44年前、狭山事件において、「あんなことをするのは部落民にちがいない」と、警察の見込み捜査によって石川一雄さんが犯人にでっちあげられ逮捕。その後の取り調べにおける捜査官からの脅迫によって、虚偽の自白を強要させられました。最近起きた志布志事件や富山氷見事件は、狭山事件とまったく同じ構造で、司法・警察当局によるえん罪が今も繰り返されています。今回の法案提出は、人生を奪う冤罪を繰り返させない為の大きな歴史的一歩となりました。法案では、全面的な可視化と証拠リストを開示する内容となっていますが、狭山事件など、既に再審請求をしている冤罪事件の証拠開示を盛り込むまでには至っていません。しかしながら、この法案を成立させることが、再審請求、事実調べを求めている多くの冤罪事件の再審の扉をひらき、冤罪被害者を救済することにつながると考えています。
臨時国会も終盤にかかっており、会期が再延長されるかどうかも不透明でありますが、すべての冤罪事件の解決、冤罪被害者の早期救済の実現のため、参議院におけるこの法案の採決、そして衆議院における審議・成立にむけ、全力で取り組んでいきます。
*可視化法案の詳細は下記のPDFファイルをダウンロードして参照ください。(民主党ホームページより)
○取調べの録画・録音による可視化法案の提出について(PDFファイル、76KB)
○取調べの録画・録音による可視化法案(PDFファイル、172KB)
○取調べの録画・録音による可視化法案要綱(PDFファイル、124KB)
○証拠開示のイメージ図・取調べ可視化法案説明図(PDFファイル、140KB)
○刑事訴訟法の一部を改正する法律案新旧対照条文(PDFファイル、204KB)