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2008年3月18日 (火) 更新

[活動報告] 日本学生支援機構に対する申し入れ

080313  3月13日、経済的理由により就学が困難な学生に奨学金を支給している独立行政法人「日本学生支援機構」(旧日本育英会)に対して、「教育改善要求大阪実行委員会」(大阪府教職員組合、部落解放同盟大阪府連合会等で構成)の代表メンバーが要請申し入れを行い、会長を務める私も参加しました。民主党の神本美恵子、那谷屋正義両参議院議員にも同席いただきました。

 小泉・安倍政権が推進してきた構造改革のもと、格差社会の拡大とともに、経済状況の厳しい家庭が増加するのに伴い、大学進学のための奨学金を申請する学生数が急増しています。
 日本学生支援機構が提供する貸与奨学金には、経済的に困難を抱えている人を最優先するという無利子の「第一種予約奨学金」がありますが、その支給要件に「成績条項」が設けられ、5段階で3.5以下の成績の対象者がふるい落とされたり、都道府県ごとの採用数の枠が設けられていることにより、同等の成績でも支給、不支給の差異が県によって出ています。また、生活保護を受けている家庭の申請者が採用されないというケースが多く、大阪の場合、5人に1人という現状です。また、貸与開始が入学後の5月になるなど、活用面の問題も出ています。
 一方、独立行政法人に移管して以降、携帯電話番号やメールアドレスなどの不必要な個人情報を申込み時に収集したり、奨学金返還時に住民票等の写しの提出を義務づけたりするなど、プライバシー保護や人権の観点から問題のある手続きも見られます。
 この日の申し入れでは、奨学金の支給を予定されている当事者を含め、会のメンバーから制度の趣旨と矛盾する現場の様々な実態が訴えられました。例えば、申込みが一律にインターネットで受け付けられ、パソコンを持っていない人が問い合わせを電話でしたくても対応されないとか、生活保護家庭で無利子の第一種奨学金が受けられず断念したケースがあるにも拘わらず、それよりも明らかに高い経済状況にある家庭の申請者が採用されているなどの矛盾が見られるなど、奨学金貸与の採用・不採用の基準があいまいであり、その説明を求めても「総合的判断」としか説明されないといった現状が訴えられました。
 日本学生支援機構の担当者からは、成績条項の撤廃は困難であること、利息付きの第二種奨学金を拡充する方針であること、都道府県枠については有識者会議からの指摘も受け、2011年度申込み分まで段階的に撤廃する方針であることが伝えられました。また、携帯電話番号の記入については09年度分、メールアドレスについては08年度申込み分から任意にしている。入学金納入時期にあわせた支給については、国立大学では奨学金が支給されるまで納入を待つよう徹底し、国民生活金融公庫の貸し出しで対応している。住民票等の写しについては、滞納者が不明になるケースが多発しているため、不明になった際の確認のため義務づけているとの回答でした。
 私自身、かつて部落出身者への奨学金を受けてやっと高校に進学できました。二歳上の姉はその制度がまだなかったために進学を断念しました。私は、教育の機会や奨学金についての私の思いを伝え、神本議員、那谷屋議員とともに現在の奨学金制度の問題点について指摘し、情報提供や説明を求めました。
 その中で、私たちが文部科学省に1万名への拡大を要求してきた無利子奨学金の採用枠は、わずか500名分しか確保できていないことも明らかになりました。
 私たちは、経済的に進学できない学生を支援するという日本学生支援機構の本来の趣旨を踏まえて取り組んでもらうよう、無利子奨学金の採用枠の拡大や、採用・不採用の理由を当事者に明確に説明できるような明確な基準づくりなどを要請するとともに、民主党が高校の無償化法案を提出しており、それを実現できるよう取り組んでいきたいという意思を伝えました。

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