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2008年5月31日 (土) 更新

[活動報告] 可視化法案がいよいよ参議院法務委員会で審議入り

080529  5月29日、参議院法務委員会において、民主党の議員立法である「刑事訴訟法の一部を改正する法律案」、いわゆる可視化法案について、松野信夫参議院議員が趣旨説明を行い、同法案がいよいよ審議入りしました。
 来週の法務委員会で各党からの質疑が行われる予定ですが、法案発議者として松野議員、前川清成議員とともに私も答弁者となります。
 参議院で速やかに採決されるよう努力するとともに、衆議院での審議、成立をめざします。
 以下は、法案趣旨説明の文言です。

刑事訴訟法の一部を改正する法律案趣旨説明
 ただいま議題となりました刑事訴訟法の一部を改正する法律案について、提案の趣旨及びその内容を御説明申し上げます。
 我が国の刑事司法の目的は、公共の福祉の維持と個人の基本的人権の尊重を全うしつつ、事案の真相を明らかにし、刑罰法令を適正かつ迅速に適用実現することにあります。このように、我が国の刑事司法が適正手続の保障の下での事案の真相解明を使命とする以上、被疑者の取調べが適正を欠くことがあってはならず、それを防止するための方策が必要であるとともに、また、被告人は訴訟の当事者として十分な防御の機会が保障されなければなりません。
 刑事訴訟法は、当事者主義のもと、被告人と検察官とを対等に取り扱っておりますが、現実は、真相解明についての両者の力量には格段の差があります。特に捜査段階では、被疑者は取調べの対象とされ、また自白は証拠の王とも言われて、ともすれば自白偏重に走りがちであります。
 密室での取調べでは、威迫的あるいは誘導的な取調べを受けて真実と異なる供述がなされる場合もしばしば見られるところであり、公判において供述調書の任意性をめぐって長期間の裁判が繰り広げられていることも少なくありません。
 近時、えん罪とされる事件が続発しております。代表的な事件として富山の氷見事件、鹿児島の志布志事件、佐賀の北方事件等があげられます。特に前二者については異例なことではありますが、最高検察庁も「いわゆる氷見事件及び志布志事件における捜査・公判活動の問題点等について」と題する検証報告書を明らかにしています。最高検察庁は、この報告書の中で、志布志事件の判決が「自白成立の過程で追及的・威圧的な取調べがあったことを窺わせる」と指摘したことを受け、「検察官としては、自らが適正な取調べに努めることはもとより、警察における取調べの状況をも的確に把握し、後の公判において取調べの適正に疑問を抱かれることのないよう努めなければならない」としています。こうしたえん罪を防止する観点から、適正な取調べの担保を確保する意味でも可視化は大きな意味を持ちます。
 また、平成21年に導入される裁判員制度についても、取調べの適正化は極めて重要であります。そうであるからこそ、一般国民である裁判員の前に事実に反する自白調書が提出されないよう細心の注意を払う必要があります。
 取調べにおける捜査の必要性との調整も必要でありますが、取調べにおける可視化は、無実の者を誤って処罰することほど重大な不正義はないとの刑事訴訟の要請に合致し、時代の要請でもあり、強大な権力である検察・警察権の行使を適正化する必要な制度改革であります。
 この法律案は、このような状況にかんがみ、被疑者の取調べ等について録音・録画を義務付ける制度を導入するとともに、被告人と検察官との間の実質的な平等を確保し、実体的真実を追究するためには証拠の隠蔽を許すべきではないとの趣旨から、公判前整理手続において検察官の手持ち証拠の開示に向けたすべての証拠の標目の一覧表の開示を求めるものです。
 以下、法律案の内容につきまして、その概要を御説明申し上げます。
 第一は、被疑者の供述及び取調べの状況等の録音・録画を行うことであります。被疑者の取調べ等に際しては、被疑者の供述及び取調べの状況のすべてを映像及び音声を同時に記録することができる記録媒体に記録しなければならないものとすることとしております。また、取調べ状況等の録音・録画の義務規定に違反してなされた取調べにおいて作成された自白調書等は、証拠とすることができないものとすることとしております。
 第二は、公判前整理手続において、検察官の手持ち証拠の開示に向けたすべての証拠の標目の一覧表の開示を行うことであります。すでに公判前整理手続においては、証拠開示の方法が定められておりますが、被告人側は、そもそも検察官がどのような証拠を有しているのか分かっておりません。実体的真実を解明するためには有利不利を問わず、明らかにされるべきものであり、その前提として証拠の標目の一覧表の作成並びにその開示をすることとしております。
 以上がこの法律案の趣旨及び内容であります。
 何とぞ、慎重に御審議の上、速やかに御賛同くださいますようお願い申し上げます。

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