7月7日、「ハンセン病対策議員懇談会」と「ハンセン病問題の最終解決を進める国会議員懇談会」との合同会議が開催されました。ハンセン病療養所の方々からの要請を聞くとともに、療養所の職員の定数削減などによる医療・介護等の将来構想への危機感から、療養所の体制の充実を求める国会決議をあげることが協議されました。
昨年6月に成立したハンセン病問題基本法では、ハンセン病療養所入所者の方々の在園保障が謳われ、「介護員の確保等国立ハンセン病療養所における医療及び介護に関する体制の整備のために必要な措置を講ずるよう努める」と定められています。この日、合同会議に同席した全国ハンセン病療養所入所者協議会(全療協)の宮里光雄会長(写真)をはじめ、入所者の方々は、要請の中で、この法律を真に実効性あるものにと求めました。
合同会議では、はじめに、両懇談会の津島雄二会長と藤井裕久会長からあいさつがあり、療養所に入所されている方々が現状と将来に大変不安を持っていることを踏まえ、国会決議をあげるべく与野党各党で党内手続きを進めているとの報告がありました。
全療協の宮里会長をはじめ、出席された全国各地の療養所の支部の方々からは、療養所が現在抱えている様々な問題点についての指摘がありました。入所者の平均年齢が80歳を超える中、政府の合理化計画により療養所の職員が削減され、入浴の回数や時間が制限されたり、夜中のトイレもままならなかったり、誤飲等で死亡する者も出るなど、介護や医療の体制に見過ごすことのできない支障が出てきていることなどを切に訴えられました。(この日両懇談会へ提出された要請書を下記に添付します)
政府全体で各省一律に合理化目標が設定されていますが、このような当事者の声を受けて、療養所はその削減対象から外すべく、その重しとなる決議を今国会中にあげられるよう、超党派で取り組むことが確認されました。
(要請書)
2009年7月7日
ハンセン病対策議員懇談会
会長 津 島 雄 二 先 生
ハンセン病問題の最終解決を進める国会議員懇談会
会長 藤 井 裕 久 先 生
全国ハンセン病療養所入所者協議会
ハンセン病違憲国家賠償訴訟全国原告団協議会
ハンセン病違憲国家賠償訴訟全国弁護団連絡会
国立ハンセン病療養所の職員定数削減の停止に関する要請書
1 要請の趣旨
中央省庁等改革基本法に基づく国家公務員の定数削減の新たな年次計画等において、削減対象とされる職員定員の母数から、ハンセン病療養所の職員数を除外することについて、格別のご尽力をお願いいたします。
2 要請の理由
○ 中央省庁等改革基本法及び閣議決定等により、ハンセン病療養所の職員定員数は、年次計画に従って削減され続けています。
○ このため、平均年齢80才を超えた入所者は、高齢化や障害の重篤化等により、今まで以上に多数の人出が必要であるにもかかわらず、定員削減の影響による介護の量的、質的な著しい低下に苦しんでいます。
特に、視力障害者、手足に重篤な後遺症を有する者、認知症患者等に対する介護の劣化は、これら入所者の尊厳を犯すものであり、生死にかかわる事態を招きかねない状態となっています。
○ こうした状況に鑑みて、本年度から療養所における介護の実情を把握するための実態調査が実施されることになっていますが、療養所における状況は一刻を争う事態であり、その結果が明らかになる前に、閣議決定によって療養所職員の定数削減が実施されるような事態になれば、各療養所において更に職員の減少が進み、深刻な事態に陥ることは必定です。
したがって、当面職員定数の現状維持を図ることが必要不可欠であり、そのためには、近く予定される新たな定数削減の年次計画の削減対象とされる職員定数の母数からハンセン病療養所を除外していただく必要があります。
○ 先生方のご尽力により、昨年6月11日に成立した「ハンセン病問題の解決の促進に関する法律」では、このような深刻な状況を踏まえて、その11条に、「国は介護員の確保等国立ハンセン病療養所における医療及び介護に関する体制の整備のために必要な措置を講ずるよう努めるものとする」と定めていただきました。この法律を真に実効あらしめるために、是非とも緊急に国会においてしかるべき立法府としての見解を明らかにしていただきますようお願い申し上げます。