今求められる「人を大切にする政治」「希望を取り戻す政治」
参議院議員 松岡とおる
貧困大国と化した日本
政権交代後の昨年10月、長妻昭厚生労働大臣は国内の相対的貧困率について公表し、2007年調査ですでに15.7%になっていたことが明らかにされました。これはメキシコ、トルコ、アメリカに次いでOECD加盟30ヵ国中4番目に高い数字であり、実に「6人に1人が貧困」という実態です。自公政権はこの数字の公表を避け続け、日本が貧困大国となった現実から国民の目をそらせてきました。
11年連続して3万人を超える自殺者が出ている実態、子どもの貧困率も確実に上昇し、7人に1人が貧困といわれている実態、また賃金の低い非正規労働者が実に3人に1人となり、その内、年収300万円以下が8割にも及ぶ実態、年収200万円以下のワーキングプアと呼ばれる勤労者が拡大している実態、15〜34歳で通学・就労をしていないニートと呼ばれる若者が増加し、とくに貧困家庭の若者が増えている実態など、貧困の拡大は様々な実態となって表れてきています。
日本社会は、自公政権や小泉・竹中路線の市場原理主義の経済政策の下、「貧困大国」への道をひた走り、人々が希望をもてない病んだ社会となってしまいました。
そのような中、昨年8月に行われた衆議院議員選挙においては、自民・公明の与党が大敗、「国民の生活が第一」とした民主党が圧勝し、歴史的な政権交代が実現しました。これは、貧困や格差の拡大、そして人々から希望を奪うような社会、政治にたいして変化をもとめる国民の意思と行動の表れであったと思います。民主党を中心とする新政権はこの期待に応え、今、「人を大切にする政治」、「希望を取り戻す政治」を進めて行かねばなりません。
人権侵害救済法制定にむけて
貧困・格差の拡大する社会は、差別や人権侵害の拡大する社会です。私はこれまで、所属する法務委員会や行政監視委員会において、部落差別をはじめとする人権侵害の実態と救済の必要性を幾度も訴えてきました。
人権救済機関の必要性を示した人権擁護推進審議会の答申が出されて丸8年が経過してもなお、法整備は未だ実現していません。民主党が「人権侵害救済機関の創設」をマニフェストで掲げていることを踏まえ、私は昨年11月、「部落解放・人権政策確立要求中央実行委員会」の要請行動に参加し、千葉景子法務大臣に直接お会いし、救済法制定の一日も早い実現を求めました。また、法務委員会においても、人権侵害の立法事実(その立法を支える事実)があるからこそ人権救済機関が必要ではないかと問い、千葉大臣も同様の認識を示されました。今年の通常国会において、超党派の合意の下に人権侵害救済法が実現するよう全力で臨みたいと考えています。

「人権侵害救済法」早期制定を求め千葉法務大臣に署名を提出し要請(2009年11月11日)
取調べの全面可視化など、司法の民主化にむけて
鹿児島の志布志事件、富山の氷見事件に続き、昨年は足利事件での冤罪(えんざい)が明らかとなりました。当時、民主党の法務部門会議で足利事件の冤罪被害者である菅家利和さんを招いてヒアリングを行いました。私は、法務委員会において今もなお繰り返し起きている冤罪事件について取り上げ、取調べの全面可視化を強く訴えてきました。
市民が裁判に参加する裁判員制度が昨年5月にスタートしましたが、密室での取調べによる自白調書主義の取調べでは、市民が誤った判断を下し、結果的に冤罪を生み出す立場にたってしまう可能性があります。
私は、2007年12月に続いて昨年4月にも、「取調べの可視化法案」の発議者となって、法案を参議院へ提出しました。4月23日の法務委員会で提案者として答弁し、翌24日に参議院本会議において法案は可決・成立しました。残念ながら衆議院の解散で廃案となりましたが、民主党は取調べの可視化の実現についてもマニフェストに明確に掲げていますので、今年の通常国会において、できるだけ早期に成立されるよう、与党の一員として努力していきたいと考えています。
また、昨年12月、布川事件の再審開始が決定されました。そこでは警察による自白の強要や検察による意図的な証拠隠しが明らかにされています。同じ月、狭山事件においても、第三次再審請求にかかわる弁護団、裁判所、検察の三者協議の中で東京高裁が検察側に対して初めて証拠開示を勧告しました。このような動きを注視しながら、冤罪の防止と誤判救済、証拠開示の公正なルール化など、司法の民主化にむけて取り組む決意です。

法務委員会で取調べの可視化法案の提案者として答弁(2009年4月23日)
反差別の連帯を通じた人権の法制度確立にむけて
6年前の2004年7月11日、初めて立候補した参議院選挙において、114,136票を得て当選させていただきました。私は、参議院議員として国政に関わりながら、反差別の連帯を通じてこの国に人権の法制度を確立させたいという思いで、その道筋を切り開こうと全力で取り組んできたところです。
人権侵害の被害者や被差別当事者、マイノリティ(少数者)や社会的弱者がおかれている実態を見れば、この国の人権政策とそれを支える法や体制の整備は、まだまだ不十分と言わざるをえません。
政権交代が実現した今、民主党を中心とした新しい政権が、政治の責任のもと人権・平和・環境を基軸とした政策を推進していくためにも、これまでの経験をいかしながら、一層の努力を傾注していく決意です。引き続き、ご支援をよろしくお願いいたします。