3月16日、法務委員会において質疑を行いました。千葉景子法務大臣は、大臣所信で、人権侵害救済のための機関設置や、取調べの可視化など、人権被害の克服を重要な政策目標として表明されました。私は、鳩山内閣が掲げる「命を守る政治」を進めて行く上で人権政策の確立は重要だという前提で、今回の質疑では部落問題を取り上げました。部落差別の現実把握、人種差別撤廃委員会で露呈した日本政府の部落差別認識のあいまいさ、差別・人権侵害の被害をどうとらえ、どう救済するのかなど、千葉法務大臣に問いました。
1965年の内閣同和対策審議会答申(同対審答申)とその後の同和対策事業特別措置法等による33年間にわたる施策の評価について、千葉大臣は、1996年に出された地域改善対策協議会意見具申(地対協意見具申)にもとづき、「生活環境等に存在していた格差が大きく改善され、差別意識の解消に向けた教育・啓発も推進され、特別対策がおおむねその目的を達成し意義があった。差別意識は着実に解消にむけて進んでいるものの、結婚差別などが依然として根深く存在しているなど、深刻な課題が残されている」との認識をのべるとともに、現在もそれが政府の認識として変わらないと答弁されました。依然として存在する差別意識や人権侵害への対応を、人権教育・啓発推進法(1998年)や人権擁護推進審議会答申(2004年)を踏まえてさらに展開させるとの答弁でした。
私は行政書士等による戸籍謄抄本等の不正入手事件や、インターネット検索サイトのグーグル・アースの古地図問題を例に挙げ、地対協意見具申が出されてから14年が経過し、新たな形態での差別事象も発生していることから、部落差別の実態を政府がきちんと把握すること、および部落問題の窓口の必要性についても提起しました。
また、今年2月に行われた国連の人種差別撤廃委員会での日本政府報告審査の中で、部落問題と人種差別の関わりについて、人権人道大使でもある日本政府の代表が、「部落民は日本人であって、何の違いもない」というような発言をしていたことを取り上げ、日本政府の部落問題についての定義についても問いました。
千葉大臣は、1965年の同対審答申の文言を引用しながらも、定義となると難しいとの答弁でした。日本政府に明確な定義がないにもかかわらず、国連において部落差別が人種差別撤廃条約の対象外だと主張している。私は、部落差別の定義を明確にするよう求めるとともに、人権や差別の定義については、日本国憲法や日本政府が批准している国際人権諸条約に依拠するよう提起しました。
さらに、人権侵害によりどのような被害が生まれているのかをしっかりと見ることが重要で、効果的な施策はそこから見出されると思います。理不尽な差別・人権侵害の被害実態をしっかり見る。そして救済の方法を見いだす。免田事件の再審で無罪となり社会復帰した免田栄さんは30数年間におよぶ収監中に納付の免除申請をしていなかったという理由で年金を受給できない状態でいます。このような被害を救うのは政治しかありません。
*質疑の議事録については近日、当ウェブサイトに掲載します。